現代によみがえる「苦闘」の物語?: 『カムイ外伝』

 ひさびさの完成披露試写。注目度高く、マリオン8階のロビーで延々列を作る。
 ゲストは俳優陣ではなく崔洋一監督おひとりで、監督は大きな体を揺らせて「ほめてね。サポートしてね」と本音とジョークの入り混じる挨拶をしていらした。

 なぜ今『カムイ外伝』なのか? それは今が「脱出の時代」だから、という監督の解釈はその通りだと思う。どこかを「抜ける」。不自由から自由への苦闘。

 映画は沖縄ロケの「スガルの島」に流されてからの物語たっぷりで時間も忘れて見られたが、導入部がやや入っていきずらい感じ。リアルなテーマにVFXが入ってくる唐突さがあるのだと思う。むしろ、プレスにもあるように、生身の体で俳優たちが画面を「全力疾走」する姿がすごかった。見ているだけで筋肉痛になりそう。

 この映画は俳優の怪我などアクシデントに見舞われ、進行が大幅に遅れる胃の痛い展開となった。が、見る者の残酷さからいうと、アクシデントのあとに撮った方が、映画の迫力は何倍もアップしているように見える。

 松山ケンイチの主演に相手役が小雪とはずいぶん歳の差が……と思っていたら、このふたりは恋仲ではなく、純粋な同士なのでした。小雪の娘のサヤカ役の大後寿々花がポスターなどでは全然フィーチャーされていないが、存在感抜群。殿様役の佐藤浩市、その愛人役の土屋アンナもちょい役だが残酷さがよい。

 原作の白土三平氏、今も現役なのか。。。(1932年生まれ)彼はほとんど表に出てくることがないし、この大作について沈黙を守り続けている。そうか、本人が「忍」なのか!

9月19日公開。
http://www.kamuigaiden.jp/
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by ropponguimovie | 2009-07-01 08:17 |
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