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2006年7月第1週・第2週に見た映画

★はおすすめ印
◆は誰にでも勧めるというのではないが、個人的には問題作だと思っている印
□は、すごく期待していたのに、裏切られた~(怒)という印

『40歳の童貞男 The 40 year old virgin』
 アメリカ版『電車男』といわれるが、そのわりには恋のお相手は苦労人のシングル・マザーだし、童貞君とわかって誘惑する店長は80年代から頑張ってそうなキャリア・ウーマンだし、彼を取り巻く女性達は日本の『電車男』よりずっとタフでマチュアだ。ショウ・ケースの中の花にすぎなかった『電車男』のエルメスとは偉い違い。
 電車男「エルメス」って、アメリカ人から見たらどう見えるんだろうね。「セーラームーン」の親戚に見えるのだろうか。
 9月5日よりユナイテッド・シネマとしまえん、9月30日よりユナイテッド・シネマ岸和田にてレイトショー(ずいぶん小さい公開規模だなー)


『スーパーマン・リターンズ』
 予想どおり、意外と面白かった(回りくどいいい方ですね)。今夏の超大作の中では薦められると思う。別項参照。
 8月19日、全国公開。

『ディア・ピョンヤン』
 在日コリアン2世のヤン ヨンヒ(梁 英姫)が、終戦直後から総連の活動家として働いてきた父親を、10年間見つめて撮り続けた作品。この作品がベルリンやサンダンスで観客にウケたかと思うと、「おそるべし、日本のおとうさん(日本じゃないけど、ステテコはいて布団でごろごろしてるしねー)」と思ってしまう。
 別項参照。
 
『クリムト』
 チリ生まれの監督、ラウル・ルイス監督作品。
『不思議の国のアリス』だなあと思って見ていたら、ルイス監督には本当にそういう自覚があったようだ。主人公はたしかにクリムトなのだが、彼の役割はむしろ狂言回しであり、その主役は、世紀末ウィーンというけったいな世界であり、そこで自分を見出そうとするけったいな人々である。どこまでが幻想か現実かわからない世界構築がなされていて、それがクリムトの絵の解釈は面白い。
 面白いんだけど、ではその世界を、クリムトが自分の作品構築にどう取り込んでいったのかという点は全然描かれていなくて、その点は物足りなかった。映画の中で彼は作品を作ることに何も苦労していない。「モデルに触れないと作品が描けなかった」とか、子どもが30人いたとか、「接吻」のモデルは妻の妹だったとか、もっとも近くにいたパートナーとはプラトニックだったとか逸話があれば、彼の心の中にこれだけのワンダーランドがあってもいいと思うのだが。
 2006年秋、公開

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by ropponguimovie | 2006-07-29 19:42
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