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『db』□

 すごいもの見ちゃった…。
「スノーボードの映画」だというから、サーフィンの映画の冬版みたいな感じなのかなあ、と思っていたら、スノーボードの映画じゃなかった。「自分たち」の映画だった。なにしろ「自分たち」しか撮ってないの。雪山の美しさ、樹氷、すみっこを歩いている動物達、大会に出たら大会を楽しんでいるギャラリーたち、そういうものの映像が一切なかった。きっと、捨てたカットの中にも一つも入っていないと思う。撮ってないと思う。作っている連中が、自分以外に興味がない、とわかってしまう映像なのだ。
 スノーボードって、オリンピックにもかつては出なかったし、ワールドカップでは国旗国家掲揚しないとか、より、自己の会報を求めるスポーツだと思って期待していたのに…。それと、ドキュメンタリーなのに登場人物たちに語彙がなさすぎる。海外のサーファーたちは、自分で自分のことを語れるから、その「語り」がサーフィンを知らない人でも見る人の共感を呼ぶのに対し、彼らは何も語らない。唯一印象に残ったのが「自分たちのすべりが、後輩たちの刺激になればいい」みたいなセリフで、それじゃだめでしょ。ヴィジュアルを求めるなら、世界に向かって訴えかけなきゃ。でも、彼らは、外の世界を見ていないのだ。
「自分」だけを見て「自分と世界とのかかわり」を見ないとき、その人は「ナルシスト」と呼ばれる。そういう映画だった。
 作品の最後に、「俺たちみたいに生きてみろ」とテロップが出る。お断りです。
 9月30日より、アミューズCQNでレイトショー公開。

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by ropponguimovie | 2006-08-16 06:52
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