『プラダを着た悪魔』★

会場は、早くから席がうまり「早い時間に来てよかった」と思わせる。「何着て行こうかな?」とちょっと考えてしまう。結局ユニクロのジーンズと無印良品の最終セールで買ったTシャツで行ってしまったのですが。

 映画を見たら、ファッションのことじゃなくて、ビジネススキルのことをずーっと考えてしまいました。「デレゲーション(委任)」というものについてです。

「何事かをなしとげる人はデレゲーション(委任)がうまい」「自分のもっとも大切なこと、自分にしかできないことをするために、他人にできることは他人に任せなさい。ハウスキーパーをを雇いなさい」。ライフスキルの本はときどきそう説く。ある成功者は、この20年間、スーパーマーケットに行ったことがなく(必要なものはすべて冷蔵に入っている)、着るものはクリーニングが終了してクローゼットに並べられ、出張カバンには必要なものが詰められて玄関に置かれている」

 日本の大手出版社の編集者は高給取りだと叩かれるが、パーソナル・アシスタントを雇っているものなど誰もいない。しかし、アメリカでのビジネス成功者達は、ここに出てくる「ランウェイ編集長、ミランダ・プリーストリー」のように、何人もアシスタントを抱えているのだろう。「自分がやらなくてもいいことは他人にまかせる」が徹底していて、リーダーとなるものはアシスタントを何人も抱え、そこでまた上から下への委任が行われていく。
 見方次第だけど、もっともクリエイティブな仕事ができるのは、アシスタントを雇えるような地位に上り詰めた者だけの仕事。それがアメリカン・ビジネス・ウェイ。アムウェイやってもやらなくても、下の者の仕事は上の者を支えること。そこで救われる道は、力を発揮して上にいくか、雑用を適職と考えられるか(たとえばハウス・キーパーの道を究める)のどちらか。それでも下の者が上の者に貢献するのは、自分が成功したいだけでなく、上の者に「貢献したい」と感じさせ、「学びたい」とかんじさせるメンターとしての輝きがあるからだ。これもネットワーク・ビジネスに限ったことではないらしい。

 しかし、この「委任」もなかなかスキルが必要なようで、ランウェイ編集長ミランダも、つねに、スティーヴン・コヴィーいうところの「使い走りのデレゲーション」状態。うまくいかないのは「どいつもこいつも使えないやつばかり」だからで、有能なアシスタントを求めている。ファッションと結婚した女、といわれるほどファッションのために生きているのに「ファッションばかりの女は仕事のできないおバカさん、だから(新聞記者志望だけどダサい)アンディを採用したのだ」と。

 自分がもしアシスタントを雇えたとしても、それを完璧に使いこなし、しかも相手から信頼されるボスになれる自信など、とてもないものね。指示言語というのは、とても難しいのだ。

 原作のローレン・ワイズバーガーが、20代の新人作家で、「ヴォーグ」編集長のアナ・ウィンターのもとで9ヶ月アシスタントとして働いた経験からこの作品を書いたのではないか? と、一種の暴露本的興味が先行しているようだが、ワイズバーガーは、創作講座で勉強した結果この作品を書いたそうで、ああ、アメリカの創作講座ってこういうこと教えるのか、と、基本どおり(と思われる)できばえに感服した。主人公のローレンはそういう意味で主人公のアンドレアによく似てるかもね。メンター側と生徒側の葛藤の対立があざやかなので、見ていて気持ちいい良作でした。

11月18日全国公開

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by ropponguimovie | 2006-08-21 14:53 |
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