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今週、いちばん癒せる映画 vol.21『リンガー!★替え玉選手権』 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ メルマガご購読、ありがとうございます。 このメルマガは、今週公開される映画の中から, 「この映画は癒される!」という視点に絞って1本を紹介するマガジンです。 今週おすすめの映画、2本目。『リンガー!★替え玉選手権』 ところで、マリナ・デル・レイ生活も3週目に入りました。 どうして映画の英語はあんなに難しいんだろう? 今週も1本新作を見ましたが、10パーセントもわかんなかった…。 さて、『リンガー!★替え玉選手権』の監督は『星の王子ニューヨークに行く』の脚本家ですが監督としてはデビュー作となるバリー・W・ブラウスタイン。が、この映画を終始リードしていたのは、製作のファレリー兄弟といっていいのではないでしょうか。 彼らには、障がいをもつ親友がいて、彼らにも楽しんでもらいたい、という映画作りがいつも信条です。『メリーに首ったけ』のヒロイン・メリーにも障がいを持つ弟が出てきますし、その友人本人は、『ふたりはクギづけ!』でかなり重要な役どころで出演してました。 しかしこの映画もぶっとんでる…。自分の殻が破れずうだつがあがらずにいる男が、それゆえに現金を作る必要ができてしまい、障がい者のふりをして、「スペシャル・オリンピックス」にエントリーするという話。競争相手は知的障がいがあるんだから簡単に勝てるだろう、それを、困った叔父貴が賭け事のタネにしていて、このギャンブルで一気に現金を稼ごう、というのです。 宣伝会社の人が「日本のスペシャルオリンピックス関係者に協力を依頼したがうまくいかなかった」といってましたが、たしかに日本の認知度とアメリカの認知度は違いますから、日本関係者のとまどいも理解できないでもありません。日本のスペシャルオリンピックスをとった映画「エイブル」とは、あまりに毛色が違いすぎますもの…「エイブル」シリーズはそれはそれで名作ですけどね) スペシャルオリンピックス日本の公式見解はこちら。↓ http://www.son.or.jp/sys/index.php?mo=topics&ac=TopicsDetail&topics_id=87 しかし、この「スペシャル」というところに、この映画のテーマが凝縮しています。 映画は、「成功サラリーマン」になれない主人公・スティーブが、「俺はもう負け犬じゃない、俺はもう負け犬じゃない……、もう負け犬じゃないんだあ!」と、つぶやきから絶叫にいたるシーンから始まります。何をやってるかというと、彼は「キレるサラリーマン」になりたくて、職場の自分の席でイヤホンを使って自己啓発CDを一生懸命聞いているのですね。ところが、このCDを聞くことによって、彼は、「自分ではない何者か」になろうとしてしまっている。きっと、彼を「うだつのあがらないサラリーマン」にしていた自分の中の力こそ、「本当の自分であろうとする心の声」だったのでしょう。だって、彼は、その時点ですでにとても心のやさしい男だったのですから。 そういえば、アメリカって自己啓発の本、いっぱい売ってるんだろーなー、と思って書店に行ってみましたら、それはもうすごかった(笑)。英語でself improvement っていうのですが、ものすごい場所をとっています。 さらに「へえっ」と驚かされたのは、フェデックス・キンコス(出力サービスだけでなく、文房具も売っている)をのぞいてみたら、かなりいい場所に「自己啓発CD」の陳列台があったこと。封筒だのポストイットだの買うついでに、こういうのも買ってるのかなーと思うと、なんか笑ってしまう(でも自分も買いそう(汗)) しかし、スペシャル・オリンピックス・アスリートの中に投げ込まれて彼がもっとも目の当たりにするのは、「みんな、とにかくひとりひとり違うんだ」ってことなんです。結構いじわるなヤツもいるし(笑)。いいたいこともちゃんと主張する。当たり前のことなんですけど。 人間の成長の過程として、「それは個人の責任」というのが見えてくる、というのがあると思います。自分の選択とその結果は、家族のせい、とか、世代のせい、とか、障がいのせい、というのではなくて、それに対する反応は最終的には個体差なのだ、ということ。それが、「知的障がいはないけど、でも、健常者、と、ひとくくりにできないひとりの(彼なりの問題を抱えた)ボク」という主人公を、映画のシチュエーションは浮き彫りにしてくれるのです。 それにしても、この、絶妙の笑いの感覚。いくら「特別扱いしない」といっても、この企画は絶対にファレリー兄弟じゃないとできないなあ。今回も感服です。大ファンです。 ******************************* 「今週 いちばん癒せる映画」!」 vol.21 発行46部 出典を明らかにしていただければ、無断転載は可能です。 2007.4.20 発行 発行人・石塚とも お友達にも教えるには… http://www.melma.com/backnumber_164500/ お便りフォーム http://www.enpitu.ne.jp/tool/formmail.cgi?id=72381 バックナンバー・ブログ http://rmovie.exblog.jp/ 1票、お待ちしてます♪ メルマガも登録してね→ こちら 感想が送れるウェブ拍手
by ropponguimovie
| 2007-04-20 13:50
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