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いとしい人

2009.4月公開

http://www.albatros-film.com/movie/thenshefoundme.html

 一応、本作には原作があるのですが、製作・初監督・主演をつとめたヘレン・ハントの思い込みは相当だったようです。この映画はシガニー・ウィーバーが映画化権をもっていたんですが、ついにゲットして作った本作。

 前に週刊金曜日の「マリア」の票で「女を【聖女マリア型】と【マグダラのマリア型】に分けるのはばからしい」って書いたんだけど、このヘレン・ハントもそう。全然セクシーじゃないのに、やっていることが立派な悪女さん。でも、そういうものなんだと思う。そこをちゃんと描いているこの映画が好きです。
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by ropponguimovie | 2009-02-19 23:48 |

今週、いちばん癒せる映画!vol.2 『硫黄島からの手紙』

 このメルマガは、今週公開される映画の中から1本
「この映画は癒される!」という視点に絞って1本を紹介するマガジンです。

 今週の一本は、クリント・イーストウッド監督、来年のアカデミー賞の呼び声も高い、『硫黄島からの手紙』です。

 お能に『松山天狗』という作品があります。
 これは、西行法師が全国を旅していたときに、讃岐国松山まで来ると、その地でかつて憤死した崇徳上皇の例が天狗となって現れ、大暴れします。その天狗に西行が「あなたは本当にあなたはつらい思いをなさいましたね」という主旨の歌を詠みかけてやると、天狗は怒りを鎮め、再び山に帰っていく、というストーリーです。

 ここで西行法師が崇徳上皇の怒りをどうこうしようというのではなく、ただひたすらに耳を傾けた、そうしたら怒りが鎮まった、というのがこのお話のポイントだと思うのです。

 イーストウッド監督の「硫黄島二部作」は、すでにアメリカ側からの『父親たちの星条旗』をご覧になられた方は感じられたかもしれませんが、当時の兵隊たちの様子を、非常に突き放した視線で描いています。愛国心をいたずらにあおる姿勢は微塵もありませんが、逆に彼らを悲劇のヒーローとして持ち上げる姿勢もありません。ただ、戦っても国に呼び戻されプロパガンダの道具として使われても、「悲しい」という感情をぬぐうことができなかったその心の声にのみ寄り添っています。

 これは本作の『硫黄島からの手紙』も同様で、負けると分かっている戦闘の中での、彼らの心の中を描こうとします。

 とくにクライマックスとなるのが、英語のわかる日本の将校が、米軍の捕虜が持っていた母親からの手紙を日本の兵隊たちの前で読み上げ、日本の兵隊達が、「俺の母親が書いた手紙とまったく同じだ」と感じいるシーンです。

 もし私が(あなたが)戦争で死んだとしたら、どういうふうに扱ってもらえるのが嬉しいかな? こんな問いを発してみると、ある人は神社にまつられたら嬉しいと思うかもしれないし、またある人は、そんなところにまつられたってホメ殺しみたいで嫌だという人もいるかもしれないけれど、いずれにせよ「あのとき、どんな気持ちだったのか」知ってほしいと思うのです。
 この映画では、「国のために死ぬ」ということの是非論はさておいて、(もう現場に出されてしまったら、そんなことを考えている場合ではない)、自分に対して、家族に対して、本当の個人的な「気持ち」というものに視線をあてています。

 主演となる「嵐」の二ノ宮和也がとてもいい。彼は戦地に送られる以前に経営していたパン屋の道具を軒並み徴収され、戦争に対してかなりシニカルになっている男ですが、このシニカルっぽさは、今までの戦争映画にはなかったものです。新鮮ですが、リアルです。

 余談ですが、さきにあげた「松山天狗」は、観世流のみに伝わる能で、しかも長年封印されており、明治になってからようやく演じられるようになったそうです。天皇なのに武士ごときにいいように扱われて最果ての地に流刑にされてしまった上皇の怒りは、長年、誰にも扱えないほど大きいものだったのでしょうか。

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by ropponguimovie | 2006-12-08 21:40 |