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中国植物学者の娘たち

なんか、今頃更新してますが、
資料整理のため、記録を残しています。

 ダイ・ジージェ監督、ずるいなあ、と私はよく思う。政府給費留学生としてパリに渡って以来、彼はフランスを生活の拠点にするわけだが、その遠いフランスから見た中国、というのを、彼は自由自在に捻じ曲げる。その捻じ曲げは、美しい場合もあるし、真実をついている場合もあるし、いたずらに挑発的である場合もある。中国政府、怒るだろうなあ、と、私は納得できる。

 この映画では、本当に彼は「やりたいようにやってるなあ」と思う。中国=自由の禁じられた国、という命題を、彼は、許されざる同性愛というモチーフをもって描いた。
 中国でロミジュリを演じるこの二人の女性が、それはそれは美しいのだ。チェン・アンを演じるリー・シャオランは、中国の女優の多くがそうであるように、舞踏によって鍛えられたからだの持ち主だし、中国とフランスの地を引くミレーヌ・ジャンパノワもマルチ・レイシャル独特の美しさ。
 そして、ふたりを取り巻く環境もあまりに美しい。女性のひとりチェン・アンは植物学者の娘であり、小さな離れ小島(島全体が薬草園)という環境で、隔絶されて暮らしている。そこでは緑が意思をもって、ふたりの愛を見守り、守る。新井素子が10代で書いた小説『グリーン・レクイエム』を思い出した。

 エロいのです。レズの話だから。それだけ見に行くだけの価値はある。美しいエロス、つまり、これはファンタジーです。それなのに、みょーに中国政府を刺激している。まるでこれが事実だといっているように見える。これがこの監督のずるさだけど、もちろんそれは物語をさらに美しくするために機能している。
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by ropponguimovie | 2008-02-11 16:45 |