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エメラルド・カウボーイ

11.26鑑賞

日本からアメリカへ、さらにコロンビアへと渡り、エメラルド王となった早田英志の半生。
本人が監督、脚本、製作総指揮、主演まで! (たぶん資金も)。
自分で自分の映画を自分の資本で撮る。これぞ、究極のアメリカン・ドリーム。
面白すぎ。必見!
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by ropponguimovie | 2004-11-27 14:08

スパイ・バウンド

11.25鑑賞

モニカ・ベルッチ、ヴァンサン・カッセル
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by ropponguimovie | 2004-11-27 14:05

タッチ・オブ・スパイス

11.25鑑賞
2005年正月第二弾 文化村ル・シネマにて公開

 ギリシャ(やはりハリウッド映画が強いらしい)で、国内史上2位の興行収入を樹立したヒューマン・ドラマ。
 2005年アカデミー外国映画賞ギリシャ代表。

 映画をたくさん見られる幸運に恵まれていちばん感じることは、世界の映画を見れば見るほど、世界中は戦争だらけだと知ることだ。悲しみを知ることが映画評論家の仕事なのだ。

 本作は、1960年代のギリシャとトルコが舞台。隣接するこの二国は、地理的、宗教的な面から深刻な対立が続いている。その間をはさむキプロス(北キプロス・トルコ共和国)が、ちょうどアイルランドのような存在。

 主人公の少年一家は、イスタンブールに大家族で住むスパイス店。しかし、ギリシャ人強制退去の命令を受け、少年は大好きなおじいさんと離れ離れになる。「スパイスが分かれば、宇宙が分かる」というおじいさんの教えのもと、少年は、料理の好きな少年からやがて天文学者になるが、壊された過去を修復するためには、長い長い時間が必要だった…。

 最後がいい。結構残酷に、時間は取り返せないのだということを見せ付けるのだけれど、年を経た主人公達が、おとなになったというまさにその力で過去を乗り越えていく姿に、しみじみとさせられます。
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by ropponguimovie | 2004-11-27 14:03

レオポルド・ブルームへの手紙

11.26鑑賞
2005年正月第二弾 日比谷シャンテシネにてロードショー

 ジェイムズ・ジョイスの小説、『ユリシーズ』を下敷きに(さらに『ユリシーズ』は『オデッセイア』が下敷き)、囚人と少年との少年との心の交流を描いたドラマ。

 「息子が母親のボーイフレンドを(彼が母親を虐待しているため)殴ってしまう」という話は、近年のアメリカでは本当に「身近な話」なのだろう。本作ではその痛みが重要なモチーフとなっているが、『ウォルター少年と夏の休日』もその流れだし、『8mile』だってそうだ。
 
 ただ、この作品は上にも書いたように『ユリシーズ』を非常に意識した作りになっていて、(登場人物の名前もそこからとられたもの)、時空があちこちに飛び交う物語世界がそのまま持ち込まれている。雰囲気としては、かなり『めぐりあう時間たち』に近い。
 個人的には、そういう実験的雰囲気はそれはそれとして、主人公ふたりの交流をもっとシンプルに見たい気もした。
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by ropponguimovie | 2004-11-27 13:13

ゴジラ ファイナル ウォーズ

11.26鑑賞
2004年12.4 全国東宝系拡大公開

 ゴジラシリーズの一応最終回、ということになっている。
 監督は「あずみ」に続いて1969年生まれの北村龍平。

 監督が若いせいか、この映画では、「着ぐるみ怪獣ファイト」のシーンを中心として、B級臭さをかなり面白がって作っているように見えた。
 思えば私は「着ぐるみファイトシーン」というものをスクリーンで初めて見たのだが、CGとは明らかに違う、血の通った迫力があり、「ええもの見せてもらいました~」という気がした。
 とくに、極めつけはミニラ! ミニラの着ぐるみを田んぼの真ん中に立たせただけ、という、これ以上素朴なのはありえない特撮シーンには口あんぐり。親ゴジラとの縮尺が全然あっていないのもなんのその。うーん、素晴らしかったですよ。

 ミニラのシーンが印象深かった理由はもう一つある。
 あのさ、外国だろうと異星人だろうと、他国にやってきて「友好を深めにきました」っていうときって、決してそれだけじゃないのね。絶対に利権が欲しい。だからせっせとやってくる。そうじゃないと、大人は動かない。
 でも、子どもは、利権を追及するために他人のところには行かない。ただ「遊びたい」だけ。遊びに利権はない。
 人間、遊ぶことが大事だなあ、と、思いました。
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by ropponguimovie | 2004-11-27 12:47

RAY

11.25鑑賞 
2005年1月下旬 日比谷みゆき座、シネマライズ他全国公開

 2004年6月に物故した音楽家、レイ・チャールズの圧倒的に濃密な半生。(映画が2時間過ぎても、物語はまだ1965年)。

 音楽界での輝かしい功績とその裏にある麻薬と女への耽溺は、比較的よく知られたところだと思う。
 この作品では、彼の少年時代、大きな心に傷を残した出来事・・・仲良しの弟が、目の前で洗濯桶に落ちて死亡、レイはショックのあまり、動くこともできなければ助けを呼ぶこともできず、弟の事故を傍観してしまったことを大きく取り上げている。
 この事件が、無意識のままに彼の心に深く突き刺さり、彼をやがてヘロイン中毒にまで追い込んだという解釈である。
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by ropponguimovie | 2004-11-27 12:40

ボーン・スプレマシー

11.22鑑賞
2005年正月第2弾 日劇1ほか東宝洋画系にて公開

 2002年に興行収入1億ドルを突破した『ボーン・アイデンティティー』の続編。主演はこれが意外なあたり役となったマット・ディモン。妻役フランカ・ポテンテともども、「女好きじゃないスパイと色っぽくないヒロイン」は健在だ。

 1時間48分と短いのだが、面白い面白い面白い。何が面白いって、マット演じるジェイソン・ボーンの鮮やかすぎる手さばきだ。たった一人で、キレまくりの頭脳とキレまくりの肉体を使って、ばったばったと窮地を潜り抜けていく。
 基本的に、彼は仕事にミスをすることがない。ましてや、酒を飲んだり女に色目を使って窮地に陥ることなど、絶対に、ない。イギリス情報部所属のジェームズ・何とかと違って。
 
 そういうわけで、彼は、スパイ映画史上、もっとも仕事のできるスパイである。興味深いことに、スパイ映画のスパイたちというのは、欠点が魅力だった。それは物語というものの鉄則で、完全無欠のヒーローなら、それは共感される理由をもたないわけだ。ところが、ジェイソンの場合には、彼には、「自分は誰だ?」という、誰にでも感情できる問いがあるために、仕事がガンガンできても、誰も反発しないんだよね。むしろ、気持ちよく彼の活躍を楽しめるわけだ。

 それと、ジェイソンは知性派でしょう。モスクワの街で、敵に追われながら、地図を見ながら初めての街を車を駆って疾走する場面があるのだが、感動しちゃったよ。「このスパイ、字が読める!」って。ジェームズ・何とかって、字、読めたっけ?
 さらに知性で差がつく点として、字の読めないジェームズ・何とかは、決して「俺とは何者なのか?」という問いかけをすることがない。ある意味、組織の利権で(国の予算で女をくどくな!)職務を謳歌している、植木等型スパイだと思っている。「スパイは、気楽な稼業とォ、来たもんだァ~」

 組織の中の俺って何? この問いを発し続けるジェイソンは、不安定時代の、組織対抗型人間といえる。さらに頭がよく、酒と女に溺れない、女の好みは色っぽくない女で、そして、仕事が出来る! この時代、ジェイソン・ボーンとジェームズ・何とかとでどちらが女性の人気を博するかは、明らかだ。彼が人気を博し続けるかぎり、ジェームズ・何とかシリーズの人気復活はどう見てもないような気がする。
 ちなみに、2では彼のある秘密が明かされていったん終わりになるのだが、原作は3まであります! 期待しましょう。

 
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by ropponguimovie | 2004-11-23 22:26

オペラ座の怪人

11.18鑑賞
2005.1.29 日劇3ほか全国東宝洋画系にて公開

 ブロードウェイ・ミュージカルの同名作の、完全映画化。
 ゴージャス! 主演のエミー・ロッサム(『デイ・アフター・トゥモロー』『歌追い人』)、ジェラルド・バトラー(『トゥームレイダー2』)、パトリック・ウィルソン(『フル・モンティ』『アラモ』)の3人が非常に歌がうまくて、圧倒される。
 
 エミー・ロッサムは7歳のときからニューヨーク・メトロポリタンオペラでの舞台経験があるという歌唱力を買われての起用だが、17歳という若さと、キャラ的なものもあって、怪人のミューズとなるのにはイマイチ妖艶さが足りない気がする(『デイ・アフター・トゥモロー』観た人はわかると思うが、いかにも優等生っぽいのだ)。でも、それでも次第に彼女がミューズとして違和感なく見えてくるのは、彼女の見た目に似合わぬダイナミックな歌唱力によるもの。歌もまた「身体性」の重要な一部であることがわかる。
 ちょっと話が戻るけど、「海猫」の伊東美咲は、現場では本当に脱ぐなどかなり「体当たり」撮影だったのに、スポンサーの意向で、ポスト・プロダクションの段階で、それがすべて削られてしまったらしい。だとしたら、そのために、彼女の身体性は失われ、従って存在感も失われ(彼女はほとんど演技はしていないので)、主人公の魅力がまるでなくなってしまったといえる。あっちへふらふら、こっちへふらふらのおばかジゼルちゃんだったのは、彼女が悪いわけではなかったのだ。
 この作品は、「海猫」と同系の{ふたりの正反対の魅力をもつ男と、どっちにもひかれる女の二面性}を扱った作品だと思うのだが、怪人とのデュエット、恋人ラウルとのデュエット、どちらも良くて、「あんた、どっちもいいと思っているのね」と、女にちゃんと感情移入することができる。それを歌で見せられると、下世話な例えだが、「こっちの男とのセックスもいい気持ち(ハーモニーがある)、あっちの男とのセックスも別の味わい(別のハーモニーがある)」というふうに、観る側としても体感的に理解できるというか。

 オリジナル曲を書いたミュージカル界の鬼才、アンドリュー・ロイド=ウェーバーが製作を担当、映画版のために新曲を書き下ろすという熱の入れようだが、彼は、この曲を書いているあいだ彼のミューズだったサラ・ブライトマンに去られ、自分がファントムになってしまった。余計なお世話ですね。
 
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by ropponguimovie | 2004-11-23 21:51

マシニスト

11.16鑑賞
2005年正月第二弾 渋谷シネクイントにて公開

 2004年のサンダンスで話題を呼び起こした話題のサスペンス。
 「バットマン・ビギンズ」でバットマンに抜擢されたクリスチャン・ベイルが30キロ減量して、1年間不眠症に取り付かれている男の狂気を演じる。

 最近、本当に「罪」がテーマの映画が多いなあと思う。「ホラー」とか「サスペンス」というくくりではなく、「罪モノ」というジャンルで一つできそうだ。「オールド・ボーイ」「シークレット・ウィンドウ」「箪笥」…。洋の東西は関係なさそう。
 本作もその一つで、クリスチャン・ベイル演じる機械工(マシニスト)は、1年眠っていないという重度の不眠症にとりつかれ、顔も身体もやせこけ、ガリガリ。そのうえ、自宅の冷蔵庫に、何者がはったかわからないハングマン・ゲーム(首吊り男の絵を1画ずつ書き足して完成するまでに、文字のつづりをあてるという遊び。向うの子どもがよくやるそうだ)のカードがはってある。工場に、自分にしか見えない男が出入りするようになる、懇意になったシングル・マザーの息子に、遊園地で、「ルート666」という不気味な乗り物にのせれられる。唯一心を開いている娼婦が、彼にしか見えない無気味な男の写真を大事にしている…ということがわかってくる。そして、その裏にあるのは、ある「罪」だ。

 そう思うと「またか」という気がしないでもないのだが、映像が不気味でスタイリッシュなのと、クリスチャン・ベイルのがりがり加減に圧倒されて、ノックアウトされる。(彼を見ているだけでかなり欝っぽくなってくるのだが、それは誉め言葉だろう。人間、ああなったら、苦しいよなー、と納得させられるが、ベイル自身も、撮影にのぞんでいるあいだ、イライラや集中できなさに苦しめられて困ったそうだ。
 
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by ropponguimovie | 2004-11-23 21:08

大統領の理髪師

11.11 鑑賞
2005年新春、文化村ル・シネマにて公開

 69年生まれのイム・チャンサン監督。朴正煕軍事政権下で、庶民から突然大統領専属理髪師にされてしまった男の悲喜こもごものストーリー。おすすめ。

 世界を面白くしているのはいつだって「令外の官(りょうげのかん)」である。ルールに規定されない、そのときの時代の要請や権力者の都合でシステムの中に組み入れられた人が、世界を面白くするのである。摂政、関白、検非違使、法皇、征夷大将軍、皇后なんてのも現代日本では令外の官ですね。春日局とか「家政婦は見た」の家政婦も令外の官だ。権力者としての令外の官はルールに縛られずに好きなことができるが、弱者の令外の官は、はからずも意外な権力を与えられ、新しい世界を見聞きすることになる。

 本作の主人公、ソン・ハンモもそんな令外の官の典型。ごく普通の庶民で政治的にはまったくのノンポリだった理髪店のオヤジが、「毒にも薬にもならない安全パイ」という理由で突然、大統領専属の理髪師に採用されてしまう。理髪師というのはほのぼのした仕事のようで、実はかみそりを喉元に突き立てるのが仕事。安全の上に安全を期さなくてはいけない。というわけで、情報部の強引なスカウトによって、彼はその職を得てしまうのだ。

 今までノンポリだったオヤジが勲章をもらうと急に天皇陛下万歳になってしまうように、彼も素朴な頭で、精一杯大統領に応えようとする。しかし、3.15不正選挙で権力の座につき、多くの不満分子を圧殺してきた政権。彼の素朴な忠誠心は、やがて、彼のもっとも大事なものを奪う結果になってしまう。

 ラストが本当に良い。朴大統領が暗殺によって倒れた後の、ハンモの複雑な心の動き。権力のはじっこで少しだけ訳もわからずそのうまみを吸った男が、そのせいで、どういう痛みを食らい、やがてその権力とどう向きあっていくか。人間が個人として成長するというのはどういうことなのか、つまびらかに見せてくれます。

 
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by ropponguimovie | 2004-11-15 11:57