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# by ropponguimovie | 2009-11-09 21:09

どうして男の子は好きな女の子をいじめるの? ~『そんな彼なら捨てちゃえば?』

 原題の方がもっと辛辣。He's just not that into you. (彼はあなたに気がないってだけ)。

 書籍「ルールズ」でも知られたとおり、女というのは男が電話をくれなかったり週末会おうとしなかったりセックスのあとあわててすぐ帰っちゃったり髪型を変えても気がつかなかったりしたとき、「彼は忙しいだけなのよ」と思いたがる。男というのは女と違って、欲しいものはほしいということをおさえる、というように教育されていないから、欲しい時は一直線に(だからタイプじゃない男だと迷惑)迫ってくるので、そうじゃないときは気がない、と。

 では、なぜ、女は男の行動を曲解したがるのか? 映画の中では、小さな頃の、母親による罪深き洗脳の一言を指摘する。

「〇〇君があなたをいじめるのはね、本当はあなたのことが好きだからなのよ」

 そっかー。突然現れるお花畑。昔ドリフのコントに出てた桜田淳子みたいに、女の子の目がキラキラし始めるときだ。

 さてさて、じゃ、男の子はどうして、そんなに小さなうちから、好きな女の子をいじめ始めるんだい? 

 ……恐るべき答えが出てしまったよ。

 それは、その相手の女の子が、彼のニーズを満たさないから。
 自分を満足させない、ということが、いじめる理由になっちゃうって、す、すごい。。。
(どうすれば自分を満足させるかもわからないうちから!)

 このわがままさは男のものだけではない。女が片思いで「あの人が電話くれない、あの人がどこにも連れて行ってくれない」となげくときは、女も、「男が自分のニーズを満たしてくれない」と文句をいっている。
 
 恋愛ってそういうものなんですか? 大反省。

 キャストがこのいたたな教訓を学ぶためのベスト・メンバーという感じで、ジェニファー・アニストン、ベン・アフレック、ドリュー・バリモア、スカーレット・ヨハンソンなど、私生活で映画を見てはいけないのだろうが、なんとなくいたたなメンツが勢ぞろい。

 そして、さんざん痛い思いをさせられた後に、やっぱり「彼はあなたに気がないだけ」じゃないんじゃないんか、って思わせられてしまう罪作りな映画(笑)。そこにはやっぱりお互いが抱えている課題があり、恋愛はそれを解決することを目に見える形で見せつけられているだけなのね。

http://wwws.warnerbros.co.jp/hesjustnotthatintoyou/
 
2009.8.1公開
# by ropponguimovie | 2009-07-01 10:54

『キャデラック・レコード』

 この映画を見たのはマイケル・ジャクソンの訃報の数日前。そして、映画のタイトルにあるアメリカン・ドリームな車『キャデラック』がこんなことになると、映画の製作中には想像されていただろうか。

http://www.sonypictures.jp/movies/cadillacrecords/

 黒人をアフリカから連れてきたときから、すでにヨーロッパ人はアフリカ人に対する「憧れ」があったのではないだろうか? 黒人の肌を彩る黄色、グリーン、ターコイズなどの色鮮やかなビーズは、大航海時代にヨーロッパ人がアフリカ人たちに「朝貢」するため、彼らに似合う色を一生懸命考えて、ベネチアのガラス職人たちに発注したものだって知ってました? 遊ぶことに秀でた人たちは、働かないと神様は自分を愛してくれないと考えている自己評価の低い人間たちにとって、いつだって憧れであり(深層心理では)、でも、顕在的には自己規律や上昇志向のない、見下すべき存在なのだ。

 『ドリーム・ガールズ』でダイアナ・ロスを演じたビヨンセ・ノウルズが今度はエタ・ジェイムスも演じるが、本作の舞台は『ドリーム・ガールズ』よりさらに古い。ポーランド移民人の「けったいな男」レナード・チェスがシカゴのサウス・サイドでバーを黒人音楽を演奏するナイト・クラブを開店したのが1947年。当時は公民権運動なんて想像もされてなかった頃。

 音楽を聴いていて思ったのは、彼らが作ってきた音楽はすごいけど、白人が「ぱくった」彼らの音楽は、やはり人口に膾炙する魅力を秘めているということ。本当のR&Bファンから見るとそんなのミルクを混ぜすぎのチョコレートのように邪道なんだろうけど、私にはそれがやっぱり心地よい。その作られ方は不幸であったにせよ、「父なるもの」「母なるもの」両者が融合しないとクリエイションは生まれないのだ。マイケル・ジャクソンはひとりでそれをやろうとして、全部をしょいきれなくなってしまったのだろうか。

2009.8.15 新宿ピカデリー、恵比寿ガーデンシネマで公開
# by ropponguimovie | 2009-07-01 10:20

派閥同士の葛藤を『ホ・オポノポノ』で乗り越えたサーファーたち~ 『バスティン・ダウン・ザ・ドア』

http://www.bustindownthedoor.jp/

2009.8.1 渋谷シアターNで公開。
# by ropponguimovie | 2009-07-01 09:06 |

現代によみがえる「苦闘」の物語?: 『カムイ外伝』

 ひさびさの完成披露試写。注目度高く、マリオン8階のロビーで延々列を作る。
 ゲストは俳優陣ではなく崔洋一監督おひとりで、監督は大きな体を揺らせて「ほめてね。サポートしてね」と本音とジョークの入り混じる挨拶をしていらした。

 なぜ今『カムイ外伝』なのか? それは今が「脱出の時代」だから、という監督の解釈はその通りだと思う。どこかを「抜ける」。不自由から自由への苦闘。

 映画は沖縄ロケの「スガルの島」に流されてからの物語たっぷりで時間も忘れて見られたが、導入部がやや入っていきずらい感じ。リアルなテーマにVFXが入ってくる唐突さがあるのだと思う。むしろ、プレスにもあるように、生身の体で俳優たちが画面を「全力疾走」する姿がすごかった。見ているだけで筋肉痛になりそう。

 この映画は俳優の怪我などアクシデントに見舞われ、進行が大幅に遅れる胃の痛い展開となった。が、見る者の残酷さからいうと、アクシデントのあとに撮った方が、映画の迫力は何倍もアップしているように見える。

 松山ケンイチの主演に相手役が小雪とはずいぶん歳の差が……と思っていたら、このふたりは恋仲ではなく、純粋な同士なのでした。小雪の娘のサヤカ役の大後寿々花がポスターなどでは全然フィーチャーされていないが、存在感抜群。殿様役の佐藤浩市、その愛人役の土屋アンナもちょい役だが残酷さがよい。

 原作の白土三平氏、今も現役なのか。。。(1932年生まれ)彼はほとんど表に出てくることがないし、この大作について沈黙を守り続けている。そうか、本人が「忍」なのか!

9月19日公開。
http://www.kamuigaiden.jp/
# by ropponguimovie | 2009-07-01 08:17 |